胃がん検診は大きく分けると分化型腺がん、未分化型腺がんの二つに分けて考える必要があります。
ABC検診は分化型腺がんを発見するのに有用な検診です。
胃がんのうち、分化型腺がんにはピロリ菌感染が深く関わっています。
ピロリ菌感染により胃粘膜に萎縮性胃炎が発生します。
胃粘膜の萎縮性胃炎の程度は胃から分泌される消化酵素ペプシンの元になるペプシノゲンという物質の血液中の濃度を測定する事で分かります。基準値以下の人は6〜9倍胃がん(分化型腺がん)になりやすい事がわかっています。
ABC検診は、ピロリ菌感染の有無(血清ピロリ菌IgG抗体)と胃粘膜の萎縮性胃炎の程度(血清ペプシノゲン値)を測定し胃がんになりやすい状態かどうかをA〜Dの4群に分類し、其々の群に最も適した対処法を判定する新しい検診法です。下記の表のようにわかり易く分類されます。
血液による簡便な検査なであり、特定健診等と同時に行う事が出来ます。
[出典:日本胃がん予知・診断・治療研究機構]
最近では地方自治体の胃がん検診、企業の胃がん検診に取り入れる所が多くなっています。
ABC検診はあくまでも無症状の方が対象になります。
※自覚症状のある方、過去5年以内に胃の検査を受けていない方は内視鏡検査が必要です。
※前述したように未分化型腺がんの形をとる胃がんにはABC検診は向いているとは言えません。食道癌の発見にも向いていません。やはり、1年に1回は内視鏡検査を受けるのが一番確実な胃がん検診と考えます。
しかし、内視鏡検査に抵抗が有る方で自分の胃がんリスクを知りたい方の胃がん検診の入口には非常に向いている検査です。
当院でも自由診療でABC検診を行っております。
方法は問診と採血のみですのでお気軽にご相談下さい。
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